2005年愛知万国博覧会に次いで、2010年中国で開催される「2010年上海世界博覧会」の視察研究として、平成15年11月23日〜26日、「2010年上海世界博覧会事務協調局」親善訪問をメインとし、驚異的な発展を見せる上海の実情を視察するツアーを開催しました。
この訪問は、今年5月、中国上海に移住した新藤健一郎氏(元JEPC理事、元日本イベント業務管理者協会事務局長)の尽力により実現しました。誌上を借りて御礼申し上げます。
上海市は21世紀の世界を代表する国際的メガポリスをイメージしています。投資総額1千億人民元「黄浦江両岸総合開発プロジエクト」が2002年に発表され、上海世界博覧会予定地はその中に位置しています。交通インフラに2百億人民元を再投資。マナーの悪さも世代が若返り優秀な人材が揃い出しておりさまざまな国際イベントで実験と実証を繰り返し、万博開始(開催まで7年)までには改善されると思われます。万博立ち退き8千5百世帯(25,500人)。2010年にはGDP2兆2260億ドルの予測がされており、上海の経済効果は66.8億ドル規模と考えられています。世論調査では上海市民93.2%が支持し86%がボランティア参加を希望しているようです。

● 「2010年上海世界博覧会」の概要
- ・開催予定時期 :2010年5月1日〜10月31日(180日間)
・直接予定投資額 :30億米ドル
・予想入場者数 :7000万人
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| ○ローカルエリア(上海市行政区域内) |
1400万人 |
| ○近隣地域エリア(1000キロ圏) |
2100万人 |
| ○中国全土(960万平方キロ) |
2800万人 |
| ○海外(全世界) |
700万人 |
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計 7000万人 |
・開催予定地
- 黄浦江中流にあたる南浦大橋と濾浦大橋をはさんだ浦東(260ha)浦西(50ha)駐車場(60ha)万博村(30ha)地区400ha計画敷地範囲約5.4k㎡(黄浦江の水面面積を含む)
・パビリオン総面積 :24万㎡
・設計者 :フランスArchitecture Studio社
- (1999年に日本を始めドイツ、オーストラリア、地元など6カ国でコンペとなる)
・開催テーマ
- 「Better City Better Life」
(城市、譲生活更美好)(都市、さらなる素晴らしい生活)
・テーマの展開
- 農村・都市の協働(都市の経済、文化波及効果の創出)
- 都市による多文化的融合(多文化の融合による協調と都市文化、都市空間の連続性と独創性の創出)
- 都市経済の繁栄(新たな経済活動や生き生きとした仕事場の創出)
- 科学技術創造(新たな科学技術創発の拠点づくり)
- コミュニティの再構築(都市生活により多くの選択肢と可能性を創出)

- ・目標
- 都市をテーマとした世界範囲での交流、検討を深める
先進的理念の推進
(グリーンシティ・生態都市・資源循環型都市・情報都市・知能都市・・・)
:都市文化の成果の展示
:世界各国間・各都市間交流の促進(文化、技術、貿易)
:都市に対する人類の認識(思想、概念、知識、技術)を再確認
:上海の都市化をより促進
● 「2010年上海世界博覧会事務協調局」親善訪問
親善訪問先の上海世界博覧会事務協調局(上海世界博覧会の中核組織、局長は上海市副市長)では、ナンバー2である周漢民副局長に応対して頂き、博覧会の模型を前に博覧会の概要等の説明をいただきました。博覧会の概要説明の他さまざまな説明がありましたがその中の一部を要約してご紹介いたします。
・ユニバーサルイベントに関心
弱者や障害者の方々に深く留意した「ユニバーサルイベント」の考え方に対し、大いに敬意と関心を持っている。日本は男女とも最も平均寿命の長い長寿国として知られているが、中国においても生活水準の向上と共に、徐々に平均寿命が延びてきている。従って、老人と子供、男性と女性、強者と弱者などの平等化が大きな問題となってきている。2010年博覧会においても、この問題は大きな課題になると考えており、ぜひとも皆さま方からこの面での有効なアドバイスやご支援をいただきたいと考えている。
・愛知万博と上海世界博覧会の比較
2005年愛知万博と比較してみると、次の3つの点が大きく違っている。
1番目の相違点は「会場面積がはるかに大きい」という点。現在の予定面積で比較してみても愛知万博の約3.5倍となっている。
2番目の違いは会場予定地の現状の性格。会場の予定地には、江南造船所、維新造船所、第三製鋼所など現在も操業中の大型工場があり、それに加えて約32,000人の住民が住んでいる。上海世界博覧会開催に当たってはこれらを全て移転し、更地とした上で各種の施設を建設する。
3番目の違いは愛知万博は2005年9月25日の閉幕後、全ての施設を撤去して青少年公園として原状復帰するのに対し、上海の場合は参加国に対して出展パビリオンを恒久施設として建設し、閉幕後は経済・文化・科学技術などの分野における参加国と中国との交流拠点とする活用方向で働きかけることを考えている。
・上海世界博覧会2つの目標
上海世界博覧会では2つの大きな目標を掲げている。その1番目は「参加する国と地域や組織が200を超える」ことであり、2番目は「入場者数7000万人の記録を達成する」こと。
この2つの目標を掲げて今後計画を立てていくわけですが、目標達成のためにはあらゆる要因を意識して、全ての面から慎重に検討を重ねて行かねばならないと覚悟している。
・テーマ決定の背景、三つのポイント
「都市」というテーマを選ぶに当たっては、次のような3つのポイントがあったといえる。
1番目のポイントは、これまでの万国博覧会の歴史を見ても、前例のない初めてのテーマであるということ。1851年の最初の万国博覧会以来、さまざまなテーマが採用されてきたが、「都市」をテーマとした博覧会は、未だ嘗て1回も開催されていない。
2番目のポイントは、「都市」というテーマが、現在の世界の潮流に異常なまでにマッチしているということ。急激な都市化の進展は、現在どの国にも共通して見られる現象であると同時に避けられない現象であるといえる。中国を例にとって見ると、現在12億人の人口のうち3億人が都市に生活しており、残りの9億人が農村に暮らしている。個人的な推測ではあるが、40年後にはこの比率が逆転するのではないかと考えている。
3番目のポイントは「都市」というテーマは、それがカバーする領域が実に広いということ。例えば、都市と農村を連携させながらダイナミックに発展させるためにはいかにすべきか? 都市の多元的で先進的な文化や技術と、農村に伝わる伝統文化や技術を如何に組み合わせていけば、人間全体の快適な生活が可能になるのか? 持続可能な発展を達成するためには、都市化が巻き起こす問題をどうすればよいのか?等々の領域をカバーしている。
結論として言えば、万国博覧会という場を活用して、上海という急速に発展してきた巨大都市が抱える問題の解決を模索することは、世界の各国、各都市が現在抱えている問題の解決に資することができるのではないかという発想から、このテーマを選択したということである。

以上は会談の要約ですが、松平輝男団長の訪問挨拶、新藤健一郎氏のコーディネイトにより、活発な質疑応答が繰り広げられ、日本においても今回の親善訪問団が中心になって上海世界博覧会の応援団として協力していくことで締めくくり、最後は記念撮影を撮って終了しました。
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